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PCウェル工法とは、工場製作した鉄筋コンクリート造の単体ブロックを、施工地点にて接続・一体化し、内部をハンマグラブなどにより掘削・排土しながら、グランドアンカーなどを反力として圧入・沈設する工法です。 PCウェルの構造には、プレストレスコンクリート構造体(PC構造体)とプレキャストプレストレスト鉄筋コンクリート構造体(PPRC構造体)の2種類があります。 設計は、「道路橋示方書Ⅳ下部構造編」等の関連基準に従って杭基礎またはケーソン基礎として行います。 PCウェルが適用できる構造物には、橋梁下部構造(基礎と橋脚)、擁壁、工場施設、建築物、人工地盤などの基礎構造をはじめ、人孔・立坑やポンプ井等の内空を利用する地中構造物などがあります。外径1.6mから8.0m程度までの構造物に利用され、大深度(実績75m)の施工も可能です。昭和43年に橋梁基礎の実用化されて以来、2500基を超える実績があります。 施工法は圧入式オープンケーソン工法に分類され、プレキャスト構造物を沈設する工法であるため、施工精度、品質確保が容易であり、現場工程の短縮、狭隘現場での施工が可能な工法です。また、施工時の周辺地盤の乱れが少ないことから、既設構造物に近接して施工するケースに採用されることが多くあります。 |
2017年4月10日の日経コンストラクションに当社の製品が掲載されました!
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JR東京駅から北に600m程の場所にある日本橋川で、再開発工事が行われています。当社はこの再開発工事のうち、橋脚の基礎を担当し製造・工事を実施しました。 [現場概要] |
PCウェル(写真左側コンクリート橋脚部分) 写真:日経コンストラクション(撮影:鴻池組) |
特徴
【単体ブロックの形状】
①形状:規格品は円形で外径1.6~4.0m。
小判型、角型、分割による大口径(8m程度まで)も可能です。
②長さ:運搬を考慮し、2.0~2.5m
【構造】
プレストレスコンクリート構造体(PC構造体)とプレキャストプレストレスト鉄筋コンクリート構造体(PRC構造体)の2種類があります。
PC構造は、単体ブロック毎にプレストレスを導入します。PC鋼棒の本数はブロック毎に増減できます。
PRC構造は、沈設時に必要な最小のプレストレスを導入し、沈設後にネジ節鉄筋と鉄筋グラウトで一体化します。
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PC構造 | PC構造 |
【施工深度】
60m程度までの実績が多くあります(75mの実績もあります)
【適用地盤】
①各種掘削機械を選定することにより超軟弱地盤から硬い砂れき層、硬質粘性土層まで幅広い地盤に適用可能です。
②施工中、ウェルの吊り下げができるため、自沈の恐れのある軟弱地盤や水上での施工も可能であり、仮締切・築島などを必要としません。
【品質】
ウェルを構成する単体ブロックが、工場製作のプレキャスト部材のため、品質に対して高い信頼性があります。
【工程】
①施工が同一作業の繰り返しで、管理が容易なため工期短縮が可能です。
②形による施工量の差がなく、通常の土質での沈設は平均2m/日前後です。
【施工ヤード】
給排水や脱水設備などの特別な設備が不要のため、狭い場所での施工が可能です。
【周辺への影響】
①施工時は低振動・低騒音であり、掘削時に泥水を使用しないため環境に配慮した施工法です。
②中堀圧入式施工(油圧ジャッキによる強制圧入沈下併用)のため周辺地盤の緩みが少なく、人家密集地や既設構造物の近接工事に適しています。
【施工精度】
掘削・圧入・沈下が連続的に行えるため施工中の周面摩擦力が小さく、大きな圧入力を必要としないため、従来のオープンケーソンに比べ施工精度が優れています。
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施工一般配置(φ3000mmの例) |
PCウェル採用実績
施工実績①
【工事名】 | 東海道線戸塚構内東海道踏切付近こ線人道橋新設工事 |
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【場 所】 | 横浜市 |
【工 期】 | 平成24年 |
【仕 様】 | φ3000 L=25.3m 1基、L=20.3m 1基 |
【概 要】 | 東海道本線・戸塚駅構内東海道踏切は、東海道線・横須賀線・東海道貨物線の各線が国道1号線と交差するため、開かずの踏切となっています。その対策として歩行者及び自転車は踏切直上に新設するこ線人道橋を利用する計画があり、その踏切に近接する両側の基礎として鉄道の近接施工として実績と信頼性があるPCウェル工法が採用されました。 またこの基礎周辺には多くの地下埋設物があり、杭基礎とフーチングの組み合わせが出来ないことも採用理由です。 |
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施工状況写真 |
施工実績②
【工事名】 | 相模大野駅西側地区第一種市街地再開発事業に伴う歩行者専用デッキ工事 |
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【場 所】 | 相模原市 |
【工 期】 | 平成21年~23年 |
【仕 様】 | φ1600 L=18.3m~20.8m 21基、φ2000 L=18.3m~18.8m 7基 |
【概 要】 | 本工事は、相模大野駅西口再開発事業に伴う歩行者専用デッキです。用地の関係上、杭基礎とフーチングの組み合わせが出来ない等の事情により、デッキでの実績が多いPCウェルの信頼性、施工性が評価され、一柱一基礎が可能なPCウェル工法の採用に至りました。 |
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施工状況写真 |
施工実績③
【工事名】 | 国道2号岡山市内立体高架橋工事 |
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【場 所】 | 岡山市 |
【工 期】 | 平成19年 |
【仕 様】 | φ5000(2分割) L=18.5m~22.5m 12基 |
【概 要】 | 急速立体化事業の一つで、国道2号線の渋滞解消を目的に行われた高架橋基礎に工期短縮の目的でPCウェルが採用されました。6車線の内4車線の通行を確保しながら施工を行いました。 |
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施工状況写真 |
施工実績④
【工事名】 | 国道道路改築工事(姥山高架橋P13,P14橋脚基礎工) |
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【場 所】 | 千葉県山武郡横芝町 |
【工 期】 | 平成14年~平成15年 |
【仕 様】 | φ5000mm |
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施工状況写真 |
ウェルマン
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ウェルマンは、PCウェル工法により構築される人孔・立坑のことです。 PCウェルの規格品とは寸法が異なり、内径を基準値としています。内径2.0~4.0mまで規格化され、最大内径7.6mまで採用実績があります。 構築は次の手順で行います。プレキャストブロックをポストテンション方式で1ブロック毎にプレストレスを導入しながら圧入により沈設します。刃先部が所定の深さに到達したら、先端部に底版(水中)コンクリートを打設します。 内部を水替えした後、中間床版、ステップ等を施工して人孔が完成します。 |
複合ウェル
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複合ウェル工法は、PCウェル工法の途中から先端部分にかけて杭径を小さくした場所打ち杭工法を用い、一体となるよう接続した『変断面複合杭基礎工法』です。一種の『拡頭杭基礎工法』と見なすこともできます。 特長 |
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施工フロー図 |
プレキャストPRC中空橋脚
RC橋脚の一部の鉄筋をPC鋼材に置換して、プレキャスト部材を組立てるために必要なプレストレスを導入し、完了後に高強度モルタルの充填及び主鉄筋(高強度鉄筋)の一括挿入を行います。 靭性、ひび割れ制御による耐久性、及び急速施工による設計は通常のRC橋脚として取り扱え、断面形状も自由に設計可能です。
- プレストレスの導入により地震時において有害なひび割れを抑制・制御できます。
- 張り出し方式、桁方式及び型枠方式の3タイプの横梁工に適用可能です。
- プレキャスト部材を用いるため、高品質が容易に確保できます。
- 高強度化かつ密実なコンクリート部材であるため耐久性に優れています。
- 工期を大幅に短縮できます。
- 施工専有面積を小さくできます。
- 施工時間や作業帯の制約がある市街地工事に適しています。
- プレキャスト部材を組み立てるため、廃棄物の発生が少なく環境に優しい工法です。
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フルプレキャストPRC中空橋脚概要図 |
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施工フロー図 |