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NEWS RELEASE 2017.12.25

セグメント製品の耐火性能評価

耐火試験概要(耐火試験版と耐火炉)

図1 耐火試験概要(耐火試験版と耐火炉)

 近年では大深度地下を有効利用する観点から、シールド工法によるトンネル工事の大規模な施工計画が増加しています。道路用トンネルでは火災によって必要な機能を損なわないようにする必要があるため、トンネル躯体に所定の耐火性を備えることが求められています。
 土木学会発刊による『トンネル構造物のコンクリートに対する耐火工設計施工指針(案)』の中には、『コンクリート自体の耐火性に期待する耐火工』が示されています。トンネル躯体に使用されるセグメントは、この構造による耐火性能を確認し、満足する必要があります。
 これを受けて当社では、コンクリートに有機繊維を混入したセグメント耐火試験を行い、耐火性能の評価を行いました。この耐火試験は、コンクリート表面に爆裂や剥落が生じないこと、鉄筋表面の受熱温度が300℃以下であることを目的に行いました。

耐火試験後の加熱面

写真1 耐火試験後の加熱面

[耐火試験の概要]
①セグメント耐火試験版寸法:長さ1200×幅900×厚さ300mm
②鉄筋のかぶり厚(設定値):60mm
③加熱温度曲線:RABT60(1200℃×60分)
④耐火炉の寸法:900×900mm(図1)
⑤鉄筋表面の受熱温度(目標値):300℃以下
⑥爆裂防止用PP繊維量:1.50kg/m3
⑦剥落防止用PP繊維量:2.73kg/m3
⑧混和材:高炉スラグ微粉末
⑨養生条件:蒸気養生後6日間水中養生
⑩圧縮強度(σ28):55.3N/mm2
         (設計基準強度42.0N/mm2

[耐火試験結果]
 RABT60による耐火試験の結果、セグメント耐火試験版の加熱面(写真1)は、粗骨材がコンクリート表面に僅かに浮き出る現象と軽微なひび割れは確認されましたが、コンクリートの爆裂や剥落の発生は全く認められず、良好な表面性状が得られました。

 図2は、耐火試験時の炉内温度とコンクリートの内部温度(コンクリート表面からの深さ 10mm, 60mm, 86mm, 100mm, 150mm, 200mm)を示したものです。この結果から求めた鉄筋表面の受熱温度(図3)は、鉄筋のかぶり厚を60mmとすれば最高温度が273.6℃となり、目標値とした300℃以下を十分に満足しました。

 これらのことから、当社の耐火性セグメントは、コンクリート表面に爆裂や剥落が生じないこと、及び鉄筋表面の受熱温度が300℃以下であることが示されました。

炉内温度と耐火試験版の内部温度

図2 炉内温度と耐火試験版の内部温度

耐火試験版内部の受熱温度

図3 耐火試験版内部の受熱温度

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